帯状疱疹
帯状疱疹について
帯状疱疹は、主に50歳以上の方に多く見られるウイルス性の皮膚の病気です。強い痛みを伴う皮膚の発疹が特徴で、時にはその痛みが数ヶ月から年単位で続くこともあります。特に高齢者や、ストレス・疲労で免疫が下がっている方に発症しやすい傾向があります。
このページでは、帯状疱疹の症状、原因、種類、治療法について詳しく解説します。「もしかして帯状疱疹かも?」と思ったときの早期受診の目安にもなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
帯状疱疹の症状
帯状疱疹の初期症状は、ピリピリとした痛みやかゆみから始まることが多く、その後、赤い発疹や小さな水ぶくれが帯状に広がっていきます。以下のような特徴があります。
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痛み:発疹が出る前から、または発疹が出てから強い神経痛のような痛みが現れます。
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皮膚の発疹:体の片側に帯のように水ぶくれができるのが特徴です。
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かさぶた:数日〜1週間ほどで水ぶくれが乾燥し、かさぶたになります。
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後遺症としての痛み(帯状疱疹後神経痛):発疹が治った後も、しばらく痛みだけが残ることがあります。特に高齢者では注意が必要です。
顔や目のまわり、耳の中に症状が出る場合は合併症のリスクがあるため、すぐに医療機関を受診することが大切です。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)によって引き起こされます。このウイルスは、水ぼうそうにかかった後、体内の神経節に潜伏し続け、加齢や疲労、ストレス、病気などで免疫力が下がったタイミングで再活性化し、神経に沿って皮膚に症状を出します。
主な誘因
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50歳以上の加齢による免疫低下
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強いストレスや過労
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がん、糖尿病、自己免疫疾患
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ステロイドや抗がん剤など免疫を抑える治療中
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帯状疱疹の種類
帯状疱疹は、ウイルスの再活性化する神経の場所によって、症状の現れ方や重症度が異なります。
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体幹に出る一般的な帯状疱疹:胸や腹部、背中に多く見られます。
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顔面に出る帯状疱疹:顔面神経がウイルスに感染し、顔の片側や目・耳に発疹が出るタイプ。視力や聴力に影響を及ぼすことがあります。
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帯状疱疹眼症:目の周囲に出る場合は、角膜や視神経への障害が起こることもあり、早急な治療が必要です。
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ラムゼイ・ハント症候群:耳の周囲に発疹が出て顔面神経麻痺を起こすタイプで、聴力障害やめまいを伴うこともあります。
帯状疱疹の治療法
帯状疱疹は、早期治療が非常に重要です。発症から72時間以内に抗ウイルス薬を服用することで、症状の悪化を防ぎ、後遺症のリスクも減らすことができます。
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抗ウイルス薬の内服:バラシクロビル、ファムシクロビルなどの薬でウイルスの増殖を抑えます。
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痛み止めの処方:消炎鎮痛薬や神経痛に対する薬を使います。
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外用薬の使用:かゆみや炎症を抑えるための塗り薬が使用されることもあります。
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神経ブロック療法やリハビリ:帯状疱疹後神経痛が長引く場合には、ペインクリニックでの治療が必要になることもあります。
ワクチンによる予防が大切
50歳以上の方には、帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されています。発症を予防し、重症化や神経痛のリスクも減らせます。
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生ワクチン(1回接種)
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不活化ワクチン(2回接種)
それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご希望や健康状態に応じて、医師と相談の上で接種を検討しましょう。
岸和田市では、2025年4月より定期接種がはじまりました。
をご確認ください。
まとめ
気になる症状があれば早めの受診を
帯状疱疹は早めに気づき、治療を開始することで、痛みや後遺症を最小限に抑えることができます。特に50歳以上の方、慢性疾患がある方、最近強いストレスを感じている方は注意が必要です。
当院では、帯状疱疹の診断・治療はもちろん、ワクチン接種のご相談も承っております。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。