肥満症
【肥満症】心筋梗塞・脳梗塞・睡眠時無呼吸を防ぐための「治療すべき病気」
■ 肥満症とは
「食事を減らしても体重が減らない」
「運動してもなかなか痩せない」
「いびきや無呼吸を指摘された」
それは意志の問題ではなく、病気の可能性があります。
肥満は医学的には「肥満症」と呼ばれ、
治療の対象となる疾患です。
当院では循環器内科専門医として、
将来の心筋梗塞・脳梗塞・心不全を防ぐための肥満症の評価・治療を行っています。
また、肥満症では睡眠時無呼吸症候群を合併することも多く、
いびき・無呼吸・日中の眠気などの症状についてもあわせて確認しています。
■ 肥満は生活習慣病のひとつです
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 睡眠時無呼吸症候群
- 不整脈
- 心筋梗塞・脳梗塞
- 心不全
肥満は生活習慣病のひとつであり、
これらの病気の発症・進行に深く関わっています。
特に内臓脂肪の増加は、
血圧・血糖・脂質の異常を引き起こし、動脈硬化を進行させます。
さらに、肥満により首まわりや気道周囲に脂肪がつくと、
睡眠中に空気の通り道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群を起こしやすくなります。
「将来の血管リスク」と「睡眠中の低酸素リスク」を高める病気です
■ 循環器専門医が肥満を診る理由
当院では日常的に、心筋梗塞・脳梗塞・心不全・不整脈の患者さんを診療しています。
その多くに共通しているのが、
肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群です。
つまり、肥満の段階で介入することが、
将来の重い病気を防ぐ最も重要なポイントです。
■ ガイドラインにおける肥満症の位置づけ
日本循環器学会ガイドラインでは、肥満症は
「ステージA(リスク段階)」として心不全リスクを有する状態
と位置づけられています。
これはつまり、肥満の段階ですでに
将来の心不全や心血管疾患のリスクが存在していることを意味します。
肥満症は、単に体重を減らすだけでなく、
心臓・血管・呼吸のリスクを総合的に評価することが重要です。
■ メタボリックドミノ(病気はつながっています)
肥満は単独の問題ではなく、
次々と病気を引き起こす「連鎖(ドミノ)」の出発点です。
- 肥満
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 睡眠時無呼吸症候群
- 動脈硬化
- 心筋梗塞・脳梗塞・心不全
■ 睡眠時無呼吸症候群も肥満症の重大な合併症です
肥満症では、内臓脂肪だけでなく、首まわりや気道周囲への脂肪の蓄積により、
睡眠時無呼吸症候群を合併しやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
- 大きないびき
- 睡眠中に呼吸が止まる
- 朝起きても疲れが取れない
- 日中の強い眠気
- 起床時の頭痛
- 夜間の頻尿
- 高血圧がなかなか改善しない
睡眠時無呼吸症候群は、単に「眠りの質が悪い」だけの病気ではありません。
睡眠中に低酸素状態を繰り返すことで、
高血圧・不整脈・心不全・心筋梗塞・脳梗塞などのリスクを高める可能性があります。
特に、肥満症に睡眠時無呼吸症候群を合併している場合は、
体重管理と睡眠時無呼吸の評価・治療をあわせて行うことが重要です。
心臓・血管の病気を防ぐうえで同時に評価すべき重要な病気です
■ 睡眠時無呼吸症候群は肥満症治療でも重要になっています
近年、肥満を伴う睡眠時無呼吸症候群は、
肥満症治療においても重要な治療対象として考えられるようになっています。
肥満症の治療では、体重を減らすことだけが目的ではありません。
- 血圧を改善する
- 血糖・脂質を改善する
- 動脈硬化を予防する
- 心筋梗塞・脳梗塞を予防する
- 睡眠時無呼吸症候群の改善を目指す
- 日中の眠気や疲労感を改善する
肥満を伴う睡眠時無呼吸症候群では、
減量により無呼吸の程度が改善することも期待されます。
そのため当院では、肥満症の診療において、
いびき・無呼吸・日中の眠気・高血圧の状態なども確認し、必要に応じて睡眠時無呼吸症候群の検査をご提案しています。
■ 放置するとどうなるのか
肥満症を放置すると、数年〜10年単位で
自覚症状のないまま進行します。
- 健診異常を指摘されるが放置
- 体重が少しずつ増加
- 血圧・血糖・脂質が悪化
- 睡眠時無呼吸症候群を合併
- 動脈硬化が進行
- ある日突然、発症
■ 実際に起こりうること
- 心筋梗塞 → 緊急治療が必要
- 脳梗塞 → 後遺症が残る可能性
- 心不全 → 息切れ・入退院の繰り返し
- 不整脈 → 動悸・脳梗塞リスクの上昇
- 睡眠時無呼吸症候群 → 日中の眠気・高血圧・心血管リスクの上昇
これらはすべて、
肥満の段階で予防・改善できた可能性のある病気です。
■ 肥満症は「治療する時代」です
現在では肥満は自己管理だけの問題ではなく、
医学的に治療する疾患と考えられています。
- 生活習慣の改善
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
- 睡眠時無呼吸症候群の評価・治療
近年は、食欲や代謝に作用する治療も登場し、
より現実的に体重を改善できる時代になっています。
ただし、薬物療法は誰にでも行うものではありません。
肥満症の有無、合併症の有無、BMI、血液検査、生活習慣、睡眠時無呼吸症候群の有無などを確認したうえで、
医学的に必要な方に対して適切に治療を検討します。
■ 保険診療での治療について
- 防風通聖散(漢方薬)
肥満症に対しては、保険適応のある治療も存在します。
防風通聖散は、体質に応じて使用され、
代謝改善・便通改善などが期待されます。
また、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、
簡易検査や精密検査を行い、重症度に応じて治療を検討します。
睡眠時無呼吸症候群の治療では、CPAP療法に加えて、
体重管理も非常に重要です。
まとめて評価することで将来のリスク低下につながります
■ このような方はご相談ください
- BMI 27以上
- 高血圧・脂質異常症・血糖異常がある
- 健診で異常を指摘されている
- 体重がなかなか減らない
- いびきが大きい
- 睡眠中に呼吸が止まると言われた
- 日中の眠気が強い
- 朝起きても疲れが取れない
- 睡眠時無呼吸症候群を指摘されている
- 高血圧がなかなか改善しない
- 将来の心筋梗塞・脳梗塞を予防したい
将来の病気を防ぎたい方」が対象です
■ まとめ
肥満は放置すると、
高血圧・糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群を引き起こし、
将来的に心筋梗塞・脳梗塞・心不全につながる可能性があります。
しかし、早期に対応することで、
将来のリスクを大きく減らすことができます。
肥満症は、見た目の問題ではありません。
心臓・血管・睡眠を守るために治療すべき病気です
■ 当院での肥満症治療について
当院では、循環器専門医が、
動脈硬化リスク・心血管リスク・睡眠時無呼吸症候群の有無を踏まえた肥満症治療を行っています。
高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病だけでなく、
いびき・無呼吸・日中の眠気などの症状も確認し、
将来の心筋梗塞・脳梗塞・心不全を予防することを目標に診療しています。
治療の流れ・使用する薬剤・費用については、
以下のページで詳しくご説明しています。
