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心不全

心不全の概要

心不全とは、心臓が体全体に十分な血液を送り出せなくなる状態を指します。これは、心臓のポンプ機能が低下するために起こります。心不全は進行性の病気であり、時間とともに悪化することがありますが、適切な治療を行うことで症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。

心不全の症状について

心不全の症状は、進行具合によって異なります。一般的な症状には以下のものがあります。

  1. 息切れ:軽い運動や日常的な活動をしているとき、または横になったときに息切れを感じることがあります。
  2. 疲れやすさ:体全体に十分な血液が行き渡らないため、常に疲労感を感じることがあります。
  3. 浮腫(むくみ):初期は足のむくみが現れることがあります。これは、血液の循環が悪くなり、体内に水分がたまりやすくなるためです。進行すると顔や全身のむくみになります。
  4. 咳や喘鳴:特に夜間や横になったときに咳や喘鳴が増えることがあります。
  5. 体重増加:体内に水分がたまり体重が増加します。

心不全の原因について

心不全の原因はさまざまであり、以下のような要因が挙げられます。

  1. 高血圧:長期間にわたる高血圧は心臓に負担をかけ、心筋の肥大、心不全のリスクを高めます。
  2. 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞):心筋に十分な酸素が供給されないため、心筋がダメージを受け、心臓のポンプ機能が低下することがあります。
  3. 不整脈:異常な心拍数やリズムは心臓の効率を低下させ、心不全の原因となります。
  4. 心臓弁膜症:心臓の弁が正常に機能しないと、血液の流れが妨げられ、心臓に負担がかかり、心不全を引き起こすことがあります。
  5. 心筋症:心筋そのものが異常を起こし、心臓の収縮や拡張機能が低下する病気です。肥大型心筋症、拡張型心筋症などがあります。
  6. 腎不全:腎臓が正常に機能しないと体内の水分バランスが崩れ、心臓に負担をかけ心不全になることがあります。
  7. 甲状腺疾患:甲状腺の機能異常が心臓に負担をかけ、心不全のリスクを高めることがあります。
  8. 貧血:血液中の酸素供給が不足するため、心臓が過剰に働き、心不全を引き起こすことがあります。

その他、先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)、心サルコイドーシス、心アミロイドーシスなどの特殊な病気から心不全を引き起こすことがあります。

心不全の検査方法について

心不全の診断にはさまざまな検査が用いられます。主な検査方法は以下の通りです。

  1. 胸部X線検査:心臓の大きさや形、肺の状態を確認するために行われます。
  2. 心電図:心臓の電気的な活動を記録し、不整脈や虚血性心疾患の有無を確認します。
  3. 心エコー検査:心臓の構造や機能を詳細に観察し、心不全の原因や重症度を評価します。
  4. 血液検査:BNPやNT-proBNPといった心臓の負担を示すマーカーを測定することで、心不全の重症度を評価します。症状のないころから少しずつ上昇するため、最近では、心不全の早期診断にも利用されています。

心不全の治療法について

心不全の治療には、生活習慣の改善や薬物療法が含まれます。以下は主な治療法です。

1. 生活習慣の改善

  • 食事療法:主に塩分の摂取を制限です。塩分は心臓や腎臓への負担になります。
  • 運動療法:適度な運動を取り入れ、心臓の機能を維持します。
  • 禁煙:喫煙は心臓に悪影響を与えるため、禁煙を徹底します。
  • アルコール制限:過度のアルコール摂取は心臓に負担をかけるため、適量を守ります。

2. 薬物療法

  • 利尿薬:体内の余分な水分を排出し、むくみや息切れを軽減します。
  • ACE阻害薬・ARB:血管を広げ、心臓の負担を軽減します。
  • β遮断薬:心拍数を抑え、心臓の負担を軽減します。
  • ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA):体内の塩分と水分のバランスを調整し、心臓の負担を軽減します。
  • アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI):心臓の機能を改善し、症状を軽減します。
  • SGLT2阻害薬:糖尿病の薬の一つです。心臓にも良い影響を与えます。

 

心不全は適切な治療と生活習慣の改善により、症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。早期の診断と治療が重要であり、定期的な医師の診察を受けることが推奨されます。

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