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高血圧

高血圧の概要

高血圧は、血液が動脈を通る際にかかる圧力が高くなる状態です。正常な血圧は一般的に収縮期血圧(上の血圧)が120 mmHg未満、拡張期血圧(下の血圧)が80 mmHg未満です。高血圧は、収縮期血圧が140 mmHg以上、または拡張期血圧が90 mmHg以上、家庭血圧では、収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上の状態が続くことを指します。高血圧は多くの人に見られる病気で、特に中高年の方々に多く見られます。

高血圧の症状について

高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、多くの場合、明確な症状が現れないことが特徴です。重度の高血圧になると、頭痛、めまい、動悸などの症状が現れることがあります。逆に症状がないからといって大丈夫ではないともいえます。

高血圧の原因について

高血圧の原因は多岐にわたります。以下に主な原因を挙げます。

  • 遺伝的要因:家族に高血圧の人がいる場合、発症リスクが高まります。
  • 加齢:年齢が上がるにつれて、血管の弾力性が低下し血圧も上がりやすくなります。
  • 食生活塩分の摂りすぎなどは高血圧の原因となります。
  • 生活習慣:運動不足、喫煙なども影響します。
  • その他の病気:腎臓病やホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群などが高血圧の原因となることがあります。

高血圧の病気の種類について

高血圧には、原因が明確な「二次性高血圧」と、特定の原因が見当たらない「本態性高血圧」があります。

  • 本態性高血圧:高血圧の約90%を占め、遺伝や生活習慣が影響すると考えられています。
  • 二次性高血圧:腎臓病や内分泌異常、睡眠時無呼吸症候群など、明確な原因がある高血圧です。

診察室血圧と家庭血圧について

  • 診察室血圧:病院やクリニックで医師や看護師が測る血圧です。緊張やストレスで一時的に血圧が高くなることがあるため、日常での正確な血圧を知るにはこれだけでは不十分な可能性があります。
  • 家庭血圧:自宅でリラックスした状態で測る血圧です。毎日の生活の中での血圧を知ることができるため、より正確な血圧管理が可能です。家庭血圧を定期的に測ることで、高血圧の管理がしやすくなります。

実際に高血圧の診断や治療も目標値も、診察室血圧は家庭血圧より5mmHg高く設定されています。

高血圧の合併症について

高血圧は、適切に管理されないと動脈硬化や心肥大、心臓弁膜症などの原因となることがあります。動脈硬化は血管が硬くなり、血流が悪くなる状態で、心肥大は心臓の筋肉が厚くなり、心臓の機能が低下する状態です。また、心臓弁膜症は心臓の弁が正常に機能しなくなる病気です。これらの合併症は、心臓病や脳卒中、腎臓病などのリスクを高めるため、早期発見と適切な治療が重要です。
高血圧は、早期に発見し、適切な管理を行うことで、深刻な合併症を予防することができます。定期的な健康診断と、日常生活での健康管理を心がけることが大切です。

高血圧の治療法について

高血圧の治療には、生活習慣の改善と薬物療法の2つが主な方法です。

目標血圧

年齢や既往歴、他の疾患の有無により、目標とする血圧は異なります。一般的には、75歳未満は125/75 mmHg(家庭血圧)、75歳以上は135/85mmHg(家庭血圧)以下を目指します。ただし、糖尿病、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)、抗血栓薬(血をサラサラにする薬)内服している場合は目標血圧は125/75mmHgです。以下の表にまとめています。

 

生活習慣の改善

  • 食事療法:塩分摂取を控え、バランスの良い食事を心がけます。
  • 運動:適度な運動を継続することで、血圧のコントロールがしやすくなります。
  • 禁煙:タバコをやめることで、血管の健康を保つことができます。

薬物療法

高血圧の治療には、以下のような薬物が用いられます。薬は医師の指導のもとで適切に使用する必要があります。

  • カルシウムチャネル拮抗薬:血管を広げることで血圧を下げる効果があります。最もよく使用されている治療薬で、第一選択として使用されることが多い薬です。よく使用される薬であるため、他の薬と合わさった薬(合剤)が多くあり、薬の数を少なくするのに有効な選択肢の一つです。
  • アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB):血管を収縮させるホルモンの作用をブロックすることで血圧を下げます。心保護作用、腎保護作用があり心不全、腎不全を合併している患者さんでよく使用されます。
  • 利尿薬:体内の余分な塩分と水分を排出することで血圧を下げます。塩分摂取量が多い方に対して有効な選択肢の一つです。
  • β遮断薬:心臓の負担を軽減し、心拍数を減少させることで血圧を下げます。血圧の他に、脈拍数も下げる作用もあるのがこの薬の特徴です。
  • α遮断薬:血管を広げることで血圧を下げます。立ちくらみなどの副作用もあり第一選択ですることはほとんどありません。

これらの治療法を組み合わせて、患者さん一人ひとりに適した治療計画が立てられます。

よくあるご質問

家庭血圧を測定する際の注意点は何ですか?

家庭血圧を測定する際は、以下の点に注意してください。

  • 測定前に5分間安静にする
  • 座った状態で、背もたれに寄りかかる
  • 腕を心臓の高さに保つ
  • 同じ時間帯に測定する(朝晩など)
  • 測定結果を記録し、医師に見せる

家庭血圧は高血圧の診断や治療を行う上で非常に重要です。理想的には毎日、朝晩の測定が望ましいですが、難しい場合は平日の一日と休日の一回、週に1回でも構いません。重要なのは、診察室以外での血圧を少しでも測定することです。定期的に家庭血圧を測定し、記録することで、より正確な診断と治療が可能になります。

血圧の薬を一度はじめると一生飲み続けなければなりませんか?

高血圧の薬を一度始めたからといって、必ずしも一生飲み続けなければならないわけではありませんが、多くの場合は飲み続けることになります。高血圧の最大の原因は、加齢によるもので薬で治るものではありません。血圧の薬の目的は、高血圧を治すというよりは、血圧を正常範囲内にコントロールし、将来の心臓病や脳卒中などの合併症を予防することです。
生活習慣の改善や食事療法、運動によって血圧が安定し、薬の量を減らし中止することが可能になる場合もあります。
ただし、自己判断で薬の服用を中止することは危険です。薬の変更や中止を考える場合は、一度相談してください。

収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)のどちらが大事ですか?また拡張期だけ高いときがありますが?

収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)のどちらも重要ですが、特に収縮期血圧が優先されることが多いです。収縮期血圧は心臓が収縮して血液を送り出す際の血圧で、拡張期血圧は心臓が拡張して血液を受け入れる際の血圧です。

収縮期血圧の重要性

特に高齢者においては、収縮期血圧が重要な指標とされます。収縮期血圧が高い場合、動脈硬化や心臓病、脳卒中のリスクが高まることが様々な報告で示されています。収縮期血圧を下げることが治療の優先目標となります。

拡張期血圧の重要性

比較的、若年(50歳以下)の方は、血管の弾力性が保たれているため、拡張期高血圧になる傾向があります。拡張期血圧だけが高い場合も動脈硬化の進行や、将来の収縮期高血圧になるリスクが高いと言われています。拡張期血圧だけを下げる薬はなく、まずは、食事や運動などの生活習慣の改善が重要です。

 

血圧は、高いからといって症状があるわけではありません。高血圧を放置すると知らず知らずのうちに動脈硬化や心不全が進行していこともあります。早期診断と適切な予防、治療が大切です。当院では、患者様一人ひとりに合わせた個別の診療を心がけております。丁寧な説明を通じて、安心して治療を受けていただけます。また、生活習慣の改善に関する具体的なアドバイスも提供し、日々の健康管理をサポートいたします。 高血圧に関するご相談や定期的な検査をご希望の方は、ぜひ当院にご来院ください。スタッフ一同、皆様の健康を全力でサポートいたします。

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