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薬の飲み忘れを防ぐための工夫・方法とは?

[2024.08.05]

内服コンプライアンス

日常生活の中で、薬をきちんと飲むことは健康を維持し、治療効果を最大限に引き出すために非常に重要です。しかし、忙しい毎日の中で薬を飲み忘れてしまうことは、多くの患者さんにとって共通の悩みです。特に、高齢者の患者さんは複数の薬を服用している場合、その管理が一層難しくなることもあります。この記事では、薬の飲み忘れを防ぎ、内服コンプライアンスを向上させるための具体的な方法と、当院での取り組みについて詳しく解説します。簡単な工夫を取り入れることで、誰でも無理なく薬を正しく服用することができます。ぜひ参考にして、健康な毎日を送りましょう。

 

薬の飲み忘れの原因

薬の飲み忘れは、多くの患者さんが抱える共通の悩みです。忙しい日常生活の中で、薬を飲むタイミングを忘れてしまうことはよくあります。特に、複数の薬を服用している場合、飲み忘れが増える傾向にあります。その他の原因としては、薬の副作用を避けたい、薬の効果を実感できないために重要性を感じない、日常のルーチンに組み込めない、などが挙げられます。こうした理由から、内服コンプライアンスの向上が求められています。

 

内服コンプライアンスの重要性

内服コンプライアンスとは、医師の指示通りに薬を正しく服用することを指します。これを守ることは、治療効果を最大化し、病気の進行を防ぐために非常に重要です。薬を正しく服用しないと、症状が改善しないばかりか、悪化することもあります。また、薬の効果を最大限に引き出すためには、決められた時間や量を守ることが必要です。内服コンプライアンスを守ることで、治療の成果を確実にし、健康を維持することができます。

 

薬の飲み忘れを防ぐための具体的な方法

薬の飲み忘れを防ぐためには、いくつかの具体的な方法があります。まず、薬を飲む時間を毎日のルーチンに組み込むことが効果的です。例えば、朝食後や就寝前など、一定のタイミングで薬を飲む習慣をつけることが大切です。また、薬を目立つ場所に置いておくことで、忘れにくくなります。さらに、カレンダーやリマインダーを活用して、薬を飲む時間を確認するのも良い方法です。家族や友人に協力をお願いし、飲み忘れを防ぐサポートを受けることも効果的です。

 

飲み忘れを防ぐための当院の工夫

当院では、患者さんが薬を飲み忘れないようにするためにいくつかの工夫をしています。まず、薬の数が増えると飲み忘れが増える傾向があるため、可能な限り合剤を使用しています。合剤は2種類もしくは3種類の薬が合わさった薬ものです。合剤を積極的に使用することで服用する薬の数を減らし、管理を簡単にしています。合剤の多くは、一つずつの薬より値段が安いことが多く経済的な薬でもあります。

例えば、

高血圧の治療薬で最も使用されているカルシウム拮抗薬の一つのアムロジピンというお薬は、他の機序の高血圧の薬との合剤が多数あります。

その中でも主に第二選択として使用するARBとの合剤が多くあります。

アムロジピン+アジルサルタン=ザクラス配合錠(後発:ジルムロ)

アムロジピン+テルミサルタン=ミカムロ配合錠(後発:テラムロ)

など

さらに利尿薬を合わせた3剤の合剤もあります。

アムロジン+テルミサルタン+ヒドロクロロチアジド=ミカトリオ

この薬を使用することで3剤を1剤に減らすことができます。最近では高血圧の治療にこの種類の利尿薬はあまり使用しないので処方することは減りましたが、内服薬を減らすと言う意味では、とても理にかなった薬の一つだと思います。

また、飲み忘れが少ない時間帯として、朝食後に薬を服用することを推奨しています。昼食後は外出や活動が多いため、飲み忘れが増える傾向にあります。夕食後は、お酒を飲む人が服用を忘れがちです。これらの傾向を踏まえ、患者さん一人ひとりに合わせた薬の選択を行っています。その他、食事に関係なく内服してもよい薬もあるため、飲み忘れに気づいた段階で飲んでくださいとお伝えすることもあります。

さらに、患者さんには薬が余っていたり、飲み忘れがあった場合には、遠慮せずに正直にお伝えいただくようお願いしています。なかなか正直にはお伝えしにくいときもあるとは思いますが、工夫次第で飲み忘れを少なくできることも多いため、一緒に話し合い、最適な解決策を見つけることが大切だと思っています。

 

まとめ

内服コンプライアンスを守ることは、健康を維持し、治療効果を最大限に引き出すために非常に重要です。薬の飲み忘れを防ぐためには、日常生活に工夫を取り入れることが効果的です。当院では、合剤の使用や適切な服用時間の提案など、患者さん一人ひとりに合わせたサポートを行っています。薬が余っている場合や飲み忘れがあった場合は、遠慮せずにご相談ください。一緒に最適な方法を見つけて、より健康な生活を送りましょう。

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