もう迷わない!2025年版・高血圧の新基準は『全員130/80未満』家庭では125/75を目指そう
これまでの高血圧治療では、**年齢や持病(糖尿病、心疾患など)によって、血圧の目標値が細かく分かれていてわかりづらい…**と感じた方も多かったのではないでしょうか。
2025年7月に発表された新しい「高血圧治療ガイドライン」では、
すべての人に共通の目標血圧が設定され、「130/80 mmHg未満」が基本となりました。
さらに、家庭で測る血圧は**「125/75 mmHg未満」**が目標です。
この統一された目標により、自分がどこを目指せばいいのかが明確になり、日々の管理もしやすくなりました。
当院でも、この新しい基準に沿って、家庭での血圧測定を大切にしながら、一人ひとりの健康をサポートしています。
新しいガイドラインのポイント
今回のガイドラインは6年ぶりの大幅な見直しとなり、
「治療」だけでなく「予防と早期の管理」がより重視されるようになりました。
大きなポイントは以下のとおりです:
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すべての患者さんが目指す血圧の目標が統一されたこと
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診察室では「130/80 mmHg未満」、家庭では「125/75 mmHg未満」が目標
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年齢や併存疾患にかかわらず、全員がこの目標を共有するという考え方
これにより、治療がシンプルかつ明確になり、医師と患者さんが同じ方向を向いて治療を進めやすくなりました。
家庭血圧が重要な理由
家庭での血圧測定は、今まで以上に重視されています。
その理由は次のとおりです:
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医療機関で測るよりリラックスした状態で測定できる
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朝や夜の血圧の変動が把握しやすい
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**「白衣高血圧」や「仮面高血圧」**といった見逃されやすい異常にも気づきやすい
今回のガイドラインでは、家庭血圧の目標値として、
125/75 mmHg未満をはっきりと示しています。
当院では、毎日の家庭血圧を記録し、それを診察時に一緒に確認することをおすすめしています。
治療内容と薬の使い方
血圧を下げるための治療法には、
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生活習慣の改善
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薬物療法(降圧薬)
があります。
薬の選び方はこれまでと大きくは変わりませんが、
目標が統一されたことで、「いつまでに」「どこまで下げるか」がよりはっきりしました。
初めから2種類以上の薬を組み合わせることも推奨され、
年齢や病気の有無にかかわらず、家庭血圧125/75をめざしていくのが基本となります。
生活習慣と“朝の血圧”への注意
朝の血圧は、特に注意が必要です。
なぜなら、脳卒中や心筋梗塞が最も起こりやすいのは、朝の時間帯だからです。
そこで、起床後1時間以内に血圧を測ることがすすめられています。
また、生活の中でできる対策も大切です:
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食塩の摂取を控える(1日6g未満が目標)
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野菜や果物を意識してとる
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毎日の軽い運動
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質のよい睡眠
薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善を土台にして家庭血圧125/75を維持することが大切です。
まとめ
2025年の新しい高血圧ガイドラインでは、
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診察室での血圧目標は「130/80 mmHg未満」
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家庭での血圧目標は「125/75 mmHg未満」
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年齢や病気の有無に関係なく、全員が同じ目標をめざす
という、シンプルでわかりやすいルールに統一されました。
「私の年齢だと、いくつまで下げたらいいの?」と迷う必要は、もうありません。
当院では、この新しい基準に沿って、患者さん一人ひとりの生活に合ったサポートを行っています。
まずは、家庭での血圧測定から始めてみましょう。
記録していただいた血圧データを、ぜひ診察のときにお持ちください。
一緒に、健康な毎日を目指していきましょう。